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Art,Books,Culture in Tokyo,in Japan

【読書】暗幕のゲルニカ

『暗幕のゲルニカ』 をご紹介。
著者は原田マハ さん。

 

暗幕のゲルニカ

暗幕のゲルニカ

 

 

ゲルニカがバスク地方の空爆を受けた土地の名というのも、

案外広まっていないかもしれない。

ナチの攻勢の中、パリ万博にも展示されたゲルニカ。

戦争のもたらす悲劇を筆の力で現し、社会に強い反戦のメッセージを発した作品。

 

 

9.11の国務長官の記者会見時に、

ロビーにあるはずのゲルニカのタペストリーは隠される。

反戦のシンボルの前で戦争を語ることの抵抗感。

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写真:Papamanila / Wikimedia Commons

史実に基づく物語なだけに、社会との関わりの中で表現者がいかに振る舞ったか、
とてもありありと想像できます。

会田誠 さんのキセイノセイキでの一報などが記憶に新しいです。
注目されがちな作品に相対して、作品によって顕在化するものはある。
それまで得体の知れなかったチカラだったり、
自身の立ち位置に、名前や自覚を生んでいく装置。


興味が尽きません。
この書籍は芸術興味なくとも手軽に読めますのでぜひ。

【アートレポート】 アスリート展

『アスリート展』行ってきまして。
場所は21_21 DESIGN SIGHT。
六本木のお洒落なマダムの間をかき分けて行くとございます。

安藤忠雄が、三宅一生の「一枚の布」というコンセプトに着想得て建てられた。
体験型の展覧会が多く開かれいるので、アートレポートというと語弊があるかもです。

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驚異の部屋
アニメーション:高橋啓治郎、人体造形:菊地絢女

身体と社会の関わりをテーマにするアーティストだと、片山真理さん好きだったりするのですが、また違う視点。人間とは、こんなにも跳べ、早く走るのかと驚く作品。

 

キングコングの西野亮廣さんが話されていた記憶。
駅伝の選手の凄さ、速さが伝わりにくい。
ノロノロとしたバイクが先導している、もっと見せ方ある。

2次元を通してだと、文面だと、その凄さがやはり伝わりにくいな。
ネットも、TVも時間も場所も超えて行くけれど、
知った気になる感覚には自分の警鐘を鳴らしてやりたいです。

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ブラインドサッカーのコーナーもこの右奥ほどにあるのですが
特別感がなくていいですね。さりげなさというか。


6月4日(日)まで。

www.2121designsight.jp

【アートレポート】Art Fair Tokyo 2017 行ってみた。

行ってきました。
ART FAIR TOKYO 2017

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昨年度5万人超を動員したこちらのイベント。
場所が東京国際フォーラムでした。

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ランボルギーニ・ウラカンRWD × スプツニ子

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Hitomi Shintani 君幸虫


イベント全体の印象としては、
TGCとのコラボなど、より大衆向けの祭典に近づいているよう。
アートがより身近になるようにという意識が感じられます。

コレクター向けのアートバーゼルのような印象を
個人的に持っていたイベントなので、少し意外でした。
チケット代も上がっていましたし、購買スペースにある作品は個人にとってはそれでも高い。

面白かったですが。
あんなに素朴に置いてあるシャガール初めて見た。
井上有一さんの作品も昨年度の21世紀美術館での個展見に行っていたので、
おお、ある。え本物?と思いました。休憩スペースの壁にもあるんですもん。

美術館やギャラリーという「然るべき場」から飛び出た作品群が、
デート中のカップルの時間を埋めている様相は、
主催の狙った所?なのかは不明ですが、その場面を見ているのでも面白でした。

同じ層を狙うのであればSEA のような関わり、仕掛けの方が個人的には好きです。

 

himukazu0616.hatenablog.com








【アートレポート】ソーシャリーエンゲイジドアート展に参りまして -スザンヌレイシー -

 

SEA
Socially Engaged Art

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社会とアートの関わりは311以後また再燃している印象です。
関心を向ける母数が広がったようにして、
日本でも展覧会が開かれました。

 


De tu puño y letra, Suzanne Lacy en Ecuador - EMBAJADA EE.UU. ECUADOR

Suzanne Lacy
スザンヌ・レイシーさん。
DVの問題、女性被害者に焦点を当てた作品。
男性300人が、見知らぬその女性からの手紙を読む。

この取り組みはドキュメンタリーとして定期的に取り上げられることが決まりました。
取組そのものが単発で終わってしまい、
問題の詳細の事実と、その時の女性たちの思いが、
この場にいた人だけでなく多くの人に知ってもらうように。

Suzanne Lacyさんは心理学卒業。
性問題に関しての研究を学ぶうち、アーティストとしてその道を進むことに。
サンフランシスコで教鞭をとり、授業の中でも多くのワークを行う。

問題がデリケートなだけに、反対にあうことも多いとのこと。
社会問題を抗議や、テキストで訴える方法もありますが、
問いかけそのものを別な形で伝えることが、
問題意識をより広く広げることに繋がるかもしれないです。