BOOK AND BED TOKYO 池袋
こんばんは。
冬の珈琲とコンビニ肉まんは唆られる時期ですね。コンビニのディスプレイの肉まんとジューシー肉まんの真ん中ぐらいに「ただいま準備中」とあってどっちが準備中なのかわからなくて断念した一日。
本を読んで過ごす夜も、冬の過ごし方の中では格別モノ。
都内に住んでいるけれどブックホテルに泊まるという贅沢を試みました(2度目)
BOOK NAD BED TOKYO @池袋
金曜に向かったので、22時過ぎぐらいに到着。金曜の夜のデザイン大事。その後の連休充実度が3連休ばりに増幅します。ふくらし粉的な自己暗示。
エレベーターが開くと受付。微笑まれながら店員さんからブラックニッカ・ディープブレンドを渡されました。サンプリングにしてはしっかり瓶。未だ冷蔵庫の中。ウヰスキーは苦手につき、ISLAND BREWINGのVONUを注文しました。亀がデザインされておるフィジーのビール。
オーダーカウンターのへりには栓抜きが設置されている。おしゃ。こちらで開けると高確率で栓が床に落ちます。「こちらで拾いますよ〜!」というコミュニケーション付きでデザインされています。
OPEN SPACEには大きめのソファ。暖色の照明でゆるっと読書。暖色光のもたらすくつろぎ効果に名前をつけたい。この日持ち込んだ書籍は『イデアの影』。大好きな森博嗣さんの文庫です。
シリーズ物中心に森博嗣さんの作品は20冊ほど読んでいます。来年したいこと100を書き終えた中に森博嗣さんと対面するというのを入れていた。この本は一冊完結。胡蝶の夢みたいな、現実と夢が蕩ける情景がこの宵にぴったりでした。
追加オーダーはデカフェのお茶。デカフェって、珈琲でもお茶でも何か欠損しているような感じがして今まで頼んでこなかったけど、デカフェでパッケージ化されたティーバッグになっていて。カフェイン込みでないお茶もいい、なんか優しい。
朝にはスタッフの方とゆっくり話していました。ゆっくりどころか2時間ぐらい話していました。ファッション、場所、価値観の話。初めましての方と話すときに、何に想い乗せて日々過ごしてるのかの興味は尽きない。一部でも自分にしまえたら、また日々彩り変わる。何かでまた絡めたら嬉しいですね。
それでは皆様、メリークリスマス!
飲む植物園@東京茶寮
年の瀬。
デスクトップに残っているイベント写真のストックから、
まとめないとなぁとずるずる来て早3ヶ月経ちました。
今年は北海道への旅と星の写真を撮れなかったので、
年初に試みようと思います。
「飲む植物園@東京茶寮」へ行っていた時の話。もう2ヶ月前になります。
三軒茶屋に日本茶をドリップで出すお店がありまして。
時々行っているのだけれど、今回はイベントでした。
フラワーアーティストのエダラボ(edalab.)さん手がける植物でカウンターが満載。
端から端にかけて四季を彩る草花が遷移します。
お好みのハーブをとって、ドリンクディレクター、セキネトモイキさん手がけるシロップと共に頼むオリジナルドリンク。
お好みのお茶をテイスティングしてチョイスして味わうスタイルは
東京茶寮の平常営業の時と同じでした。
イベントは開店間もなく訪れて、出る頃には会場一杯のお客さんでした。
国外のゲストが来た時などは連れて行きたいお店です。
◆東京茶寮
表参道のGYREで『2018年のフランケンシュタイン - バイオアートにみる芸術と科学と社会のいま』
バイオアートという潮流があります。ジョー・デイヴィスの「Microvenus」で、遺伝子組み換えの作品をアートとして提示してから、昨今日本でも話題。表参道のGYREでただ今開催中のバイオアート展が開催中。
フランケンシュタインとバイオアートに通底する概念は「死者蘇生」。宗教的な意味合いではなく科学の文脈でメアリー・シェリーが書いた死者蘇生は部分的にも現実化している。ゴッホが切り落とした左耳を蘇生したディムット・ストレーブの「Sugababe」もその一つ。
平野真美「蘇生するユニコーン」臓器も含めて精巧に再現されたユニコーン。
マーク・ダイオン「タール漬けの鳥」
第2章 「人新世」では知識の追求がもたらす破滅に関して。
AKI INOMATA「やどかりに『やど』をわたしてみる」
よくみると都市の形をしている。人工物と生物の共生を表現。
BCL「DNA Black List Printer」
製薬企業では生成が禁じられている、パンデミックを引き起こしうるウイスルの塩基配列をひたすらに打ち続ける。
バイオアートの見所はじっと見て思惑していると心ざわざわする所と個人的には思います。少しの不快というか不安というか。ファイクションの世界であった出来事が医療や生命工学の文脈でない形で提示されると、前置き無しに現実ここまできたこと突きつけられている感覚がある。
どこまでが生きていて、どこからが死んでいるのか。
機械と人間の境界を議論するアニメや作品大好きなのですが、遺伝子と生命の議論もBCLさんがされているのもどこかで読んだことがあって。これからもずっと追って見ていきたいテーマです。
京都で泊まりたいアートホテル、アンテルームへ。HOTEL ANTEROOM KYOTO.
「そうだ、京都行こう」
ってキャンペーンのディレクター佐々木宏さんだそうで。京都へは定期的に行っています、特に理由もなく。しいて言うと住んだことのない街の割に友達ができている街だから。
そして、京都来るときにできるだけ泊まるようにしている宿「HOTELANTE ROOM」
とてもお勧めします。アートホテルです、今回で3回目。とてもお勧めします。
右に見えるのは市川ヂュンさんの《白い鐘》
本人在廊されていた。お休みの18時には自ら鳴らされる。
このホテルの1階はギャラリールームになっていて、期間ごとに作品が変わります。今回は「Re:Traffic」と題された企画展が開かれていました。
春澤龍平さん《旅するブロカント》
石黒健一さん《Binaryless》
Trafficと聞いてもしやと思ってたけれど、ニコラ・ブリオーそのアンサー展の様子。『関係性の美学』でお馴染み、美術のテストで出ましたね。アートの中でも関心領域であったから、頑張って原文で読んだ一冊のうちの一つ。泊まった前日が関連トークライブだったらしい、くぅ。本展はどんな!「関係性」で「Traffic」へのアンサーなんでしょうか!問いたい。
当時のカタログ。持っていたのヤノベケンジさん。作品と観る人の相互作用を重視するインタラクティブアートとは少し違って、「リレーショナルアート」は作品へ「参与」することそのものを中心に据えている考え方。日本だとパフォーマンスの平川典俊さんが挙がることが多い。最近では社会との関わりの文脈でこの「参与」が論じられることが多くて、SEA(Social Engagemnet Art)って言葉も出てきている、関心大。
奥に入ると客室
朝ごはんが最高
関係性。こういう居住空間と展示空間の境目がなくなっている状態、本来珍しくはないはずなんですよね。部屋に絵を飾っている人はどれほどいるんだろうか。堅い話でなくて、季節ごとに家具の模様替えするように、絵を変えて気分を変えていく。PCの壁紙って定期的に変えたくなりませんかね、あのテンション。絵を日常に溶け込ませる潜在的ニーズはある筈なのです。
バーも25時までやっております。ここまで来ると完璧である。ホテル選ぶ時にバーあるかどうかはとても重要とは思いませんか。日本のビールも日替わりで置いてあります。この日飲んだのは、京都醸造さんのビール「塩天下」。すだちと藻塩を使っているそうで、ゴーゼに分類される。夏っぽい。
京都お越しの際はぜひ
HOTEL ANTEROOM KYOTO
「人類滅亡小説」山田宗樹 読みまして
SFにも近未来や宇宙モノのように、異世界の中なお通ずる、人間性描写を楽しむものと、あくまで現実世界に即して、一つの設定だけ外したSFと双方あって。
山田宗樹さんの作品はどちらも楽しめます。百年法から知って作家読みをしていて。出版年遡って読み進めていてもまだ全著書の3分の1ぐらいしか読めていないですが、新作が出ていて二度見した。
1日で読んでしまった。
内容はサスペンス要素も加えたもの。とても長い期間を書いている。
突如出現する赤い雲が巻き起こす終末物語。社会がどう反応して現象として何が起こっていくかがリアルで。実際に起こったことを暗喩していたり、完全にフィクションとは言い切れない箇所も多いんですよね。
死に相対した時に個人がどう向き合うか、小グループがどう作用するかは描写として多い。けれど集団全体に及ぶと一気に実態がぼやける。だからこそ絵としてインパクトある題材が必要で、終末物語系はゾンビウィルスか、隕石か、宇宙人かってなりがち。バイオザードもアルマゲドンも見ていた世代だから、文字でも絵として想像できるけれど、日常溶け込む雲っていいよね。
雲が社会に影響することなんてあまり考えないけれど、金沢にいた時はかなりの確率で曇天で、都内快晴多い!って晴れやかになったっけ。
本の中では「世代」の話も出て来ます。
世代を繋ぐことの意味って考え方は、親と子ではよく描かれるけれど、3世代超えるとなかなか現れないな。時間飛ぶと、伏線回収ちょろっとあって、別個の物語として話される本も多いけれど、この本は骨太一本通っています。
本の装丁をご紹介。「装幀画廊」はじめました。
about
「装幀」とは本を綴じて、表紙などをつけたりする作業のことです。
ここでは、表紙・カバー・外箱のデザインを指すことにします。世の中にはたくさんの本があります。
様々な本との出会い方の中に、「装幀」をきっかけにした出会いもあったのではないでしょうか。
美しい装幀の本は、本棚に並べるのが惜しくて、つい部屋に飾っておきたくなります。
装幀は、モノとしての本を持つ理由の一つだと思います。「装幀画廊」は、私たちが気になった装幀を紹介していくサイトです。
「装幀画廊」で紹介する「装幀」を気に入り、実際に本を手に取って頂けると、とても嬉しいです。
装幀画廊、はじめました。(正確には再開)
装幀は本の顔を創るのにとても大切。
本を選ぶときに著者別、出版社別で選ぶ方も多いと思うんです。よく見ると製本、カバーデザインが誰がやっているかもしっかりと別で書かれている。あんまり注視しないけれど、本のデザインで選ぶ人も多いはず。
少し昔を紐解くと、グーテンベルグの活版印刷ができてから、製本・印刷・出版がの線引きが曖昧になっていってます。派手な装幀が禁じられて白しかできなかった地域もあれば、製本と印刷が同一企業で出来なかった地域も。
日本では「金色夜叉」尾崎紅葉さんが、一冊一冊違う表紙を使っていたそうです。教科書に出てきていて、コンジキヤシャオザキコウヨウと呪文のように覚えていました。装幀に関心持ちはじめたのはこのサイト始めてからですが、コズフィッシュの祖父江慎さんの展覧会も行って、夏目漱石のこころの新装版や細かい文字指定、デザインとルビの指定や間隔の膨大なメモも見て。装幀には匠の技がございます。
若林恵 さよなら未来 エディターズ・クロニクル2010−2017
読書の日記 阿久津隆
新刊でない限り、陳列棚に本の表紙がお目見えするのは数週間。WEBサイトの検索軸も基本文字ベース。服みたいに、黒い色のが欲しいとは本は選べないんです。棚から引き出されない限り、目に晒されない訳で。多くの本は閉じたまま、背表紙で認識されているのです。それは本なのか!背なのか!非効率でも全部平積みしているような書店欲しい。
名前/背中から入って、表面を見て、中身を見る。人との出会いは顔から、中身で、その後背中?別に背中見ないか。本の出会い方、もっと種類あってもいいような。出版からしばらく経って表の顔を見ることが少なくなった本や、いい顔してんね君、みたいな本を不定期更新ながら並べて参ります。
Twitterはこちら。
装幀画廊
かっちょいいサイトデザインは@tako3です。製作裏話は下記。
180度が作品!HYPER LANDSCAPE 超えていく境界 ワタリウム美術館へ
外苑前にはワタリウム美術館があります。
サイクルが早くてコンテンポラリーアートを多く扱う私設美術館。
今回は梅沢和木さんTAKU OBATAさんの展覧会が開催中です。
梅沢和木さんは多く作品をみる機会がある。ネット上で散乱している画像をコラージュして作品を創る。カオスラウンジのメンバーでもあります。
会場内は一面作品が。異空間。TAKU OBATAさんの作品は初めて見ました。
木彫のB-Boy(ブレイクダンサー)の作品が場内にどんと鎮座しています。
B-Boyの作品はある程度単調化して人を模されているけれど、躍動感は失われていないですね。絶妙なつま先の角度。向き合ってもう一人います。この会場でダンスバトル始まるのであればテクノかアニソンがバックミュージックで流れそう。
梅沢和木さんに関してはキャンパスが小さくてもとても広く見える絵が多い。一枚あたりの情報量が本当に多いので、近くよって見たくなります。近くに寄れば寄るほど使われているモチーフ同士の関連性がなくなってカオスが増す。
WEBからのデータのデフォルメと身体のデフォルメが3階層に渡って広がる展示空間。テーマも表現方法も全く異なる2名の作品ですが、単に2人の展示が見られます、というよりコラボ作品のように一つの空間で感じられます。12月まで展示されているのでぜひどうぞ。