hehishim

Art,Books,Culture in Tokyo,in Japan

「文喫」参りました。六本木にて。

本屋では、本を選ぶ時間こそ最良だ。

同意。
入場料を払う本屋が六本木にできています。話題の!

青山ブックセンター六本木店があったところに2018年12月11日OPENしました。運営はLIBROの株式会社リブロプラスさん。


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ここまでが無料スペース。年末年始でも朝9時から営業されていたので、朝一並ばずに入れました。
入場料は1,500円(税抜)でございます。珈琲、紅茶、煎茶が無料ですので、それら1杯と本1冊読むとちょうどぐらいでしょうか?高くない。場所として素晴らしかったのでまた来ようかと。


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こちらが棚を開くと関連書籍が出てくるスペース。

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階段。Yes and No.煮え切らない。よく見たら色も変わってる?定まらない。

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琥珀色のバッジをつけまして入場。

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コンセントも完備なので作業カフェにも出来そうですが、お客さんほとんど皆様読書でしたね。

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こちらでドリンクはオーダー。
トーストやハヤシライスの軽食もあります。一日中滞在できてしまいます。

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座席抑え。「お」「あ」

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キュレーションが関連文書がまとまっている。
整理整頓するのとても難易度高い。

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ブライアン・オールディスの『地球の長い午後』の天秤の片方に『生命の始まりを探して僕は生物学者になった』が乗っている・・・!右は読んだことはないけれど、タイトルからこの2冊を両天秤に乗せるとはおぉ本好きな人が置いてる!と嬉しくなる。

オールディスさんのこの本は太陽の自転が止まって
昼夜の変化なく植物が支配してる地球になっているSF。

 

本好きにはとても良い空間でした。
この日読んだ本はハンナ・アレントの『革命について』で締める。

革命について (ちくま学芸文庫)

革命について (ちくま学芸文庫)

 

Twitterを見ていると、日中は満員で入場制限になる時間もある様子でした。
朝一か夜に訪れるのおすすめです。
 

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文喫
住所:東京都港区六本木6-1-20 六本木電気ビル1F
営業時間 9:00~23:00
電話番号 03-6438-9120
入場料 1,500円(税抜)

bunkitsu.jp

チームラボ 森と湖の光の祭@埼玉へ訪問

埼玉県飯能市にメッツァヴィレッジが2018年11月よりオープンしました。
metsaはフィンランド語で「森」を意味する言葉。北欧をコンセプトにしたこの場所で、チームラボによる「森と湖の光の祭」が開催されています。


teamLab: Digitized Lakeside and Forest / チームラボ 森と湖の光の祭

飯能に訪れるのは日帰りで登山をした以来。池袋から40分ぐらいで飯能駅に到着後、メッツァ行きのバスで移動です。宮沢湖を中心に北欧雑貨店やカヌー乗り場、木彫りのワークショップなんかがありました。こどもと一緒の方も1日ゆっくりできそう。

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夜17:30からはこちらに。

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とても寒空の下だったので、ワゴンカー販売されていたあったかいスープの誘惑に負ける。湖って寒いんですよね。

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呼応する、たちつづけるものたちと森 / Resisting and Resonating Ovoids and Forest
森の中にいくつかの卵。「たちつづけるものたち」って生き物に例えてる。 

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湖面に立つ、自立しつつも呼応する生命 / Autonomous Resonating Life on the Lake Surface

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触っていい作品群だったので、作品と鑑賞者の距離が近い。
解放された野外だと室内ほどの親密感出ない時もあるからこそ、
これだけ広い空間使ってこの距離感作っているのが好きでした。

2019年3月にはここメッツァヴィレッジで「ムーミンパーク」もOPENするとのことなので、ぜひ訪れてみて下さい。

BOOK AND BED TOKYO 池袋

こんばんは。

冬の珈琲とコンビニ肉まんは唆られる時期ですね。コンビニのディスプレイの肉まんとジューシー肉まんの真ん中ぐらいに「ただいま準備中」とあってどっちが準備中なのかわからなくて断念した一日。

本を読んで過ごす夜も、冬の過ごし方の中では格別モノ。
都内に住んでいるけれどブックホテルに泊まるという贅沢を試みました(2度目)

BOOK NAD BED TOKYO @池袋

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金曜に向かったので、22時過ぎぐらいに到着。金曜の夜のデザイン大事。その後の連休充実度が3連休ばりに増幅します。ふくらし粉的な自己暗示。

エレベーターが開くと受付。微笑まれながら店員さんからブラックニッカ・ディープブレンドを渡されました。サンプリングにしてはしっかり瓶。未だ冷蔵庫の中。ウヰスキーは苦手につき、ISLAND BREWINGのVONUを注文しました。亀がデザインされておるフィジーのビール。

 

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オーダーカウンターのへりには栓抜きが設置されている。おしゃ。こちらで開けると高確率で栓が床に落ちます。「こちらで拾いますよ〜!」というコミュニケーション付きでデザインされています。

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OPEN SPACEには大きめのソファ。暖色の照明でゆるっと読書。暖色光のもたらすくつろぎ効果に名前をつけたい。この日持ち込んだ書籍は『イデアの影』。大好きな森博嗣さんの文庫です。

イデアの影-The shadow of Ideas (中公文庫)

イデアの影-The shadow of Ideas (中公文庫)

 

シリーズ物中心に森博嗣さんの作品は20冊ほど読んでいます。来年したいこと100を書き終えた中に森博嗣さんと対面するというのを入れていた。この本は一冊完結。胡蝶の夢みたいな、現実と夢が蕩ける情景がこの宵にぴったりでした。

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追加オーダーはデカフェのお茶。デカフェって、珈琲でもお茶でも何か欠損しているような感じがして今まで頼んでこなかったけど、デカフェでパッケージ化されたティーバッグになっていて。カフェイン込みでないお茶もいい、なんか優しい。

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朝にはスタッフの方とゆっくり話していました。ゆっくりどころか2時間ぐらい話していました。ファッション、場所、価値観の話。初めましての方と話すときに、何に想い乗せて日々過ごしてるのかの興味は尽きない。一部でも自分にしまえたら、また日々彩り変わる。何かでまた絡めたら嬉しいですね。

それでは皆様、メリークリスマス!

 

 

飲む植物園@東京茶寮

年の瀬。
デスクトップに残っているイベント写真のストックから、
まとめないとなぁとずるずる来て早3ヶ月経ちました。
今年は北海道への旅と星の写真を撮れなかったので、
年初に試みようと思います。

 

「飲む植物園@東京茶寮」へ行っていた時の話。もう2ヶ月前になります。

三軒茶屋に日本茶をドリップで出すお店がありまして。
時々行っているのだけれど、今回はイベントでした。

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フラワーアーティストのエダラボ(edalab.)さん手がける植物でカウンターが満載。
端から端にかけて四季を彩る草花が遷移します。

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お好みのハーブをとって、ドリンクディレクター、セキネトモイキさん手がけるシロップと共に頼むオリジナルドリンク。

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お好みのお茶をテイスティングしてチョイスして味わうスタイルは
東京茶寮の平常営業の時と同じでした。

イベントは開店間もなく訪れて、出る頃には会場一杯のお客さんでした。
国外のゲストが来た時などは連れて行きたいお店です。

 

◆東京茶寮

www.tokyosaryo.jp

表参道のGYREで『2018年のフランケンシュタイン - バイオアートにみる芸術と科学と社会のいま』

バイオアートという潮流があります。ジョー・デイヴィスの「Microvenus」で、遺伝子組み換えの作品をアートとして提示してから、昨今日本でも話題。表参道のGYREでただ今開催中のバイオアート展が開催中。

フランケンシュタインとバイオアートに通底する概念は「死者蘇生」。宗教的な意味合いではなく科学の文脈でメアリー・シェリーが書いた死者蘇生は部分的にも現実化している。ゴッホが切り落とした左耳を蘇生したディムット・ストレーブの「Sugababe」もその一つ。

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平野真美「蘇生するユニコーン」臓器も含めて精巧に再現されたユニコーン。

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マーク・ダイオン「タール漬けの鳥」
第2章 「人新世」では知識の追求がもたらす破滅に関して。

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AKI INOMATA「やどかりに『やど』をわたしてみる」
よくみると都市の形をしている。人工物と生物の共生を表現。

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BCL「DNA Black List Printer」
製薬企業では生成が禁じられている、パンデミックを引き起こしうるウイスルの塩基配列をひたすらに打ち続ける。

バイオアートの見所はじっと見て思惑していると心ざわざわする所と個人的には思います。少しの不快というか不安というか。ファイクションの世界であった出来事が医療や生命工学の文脈でない形で提示されると、前置き無しに現実ここまできたこと突きつけられている感覚がある。

どこまでが生きていて、どこからが死んでいるのか。
機械と人間の境界を議論するアニメや作品大好きなのですが、遺伝子と生命の議論もBCLさんがされているのもどこかで読んだことがあって。これからもずっと追って見ていきたいテーマです。

 

バイオアート―バイオテクノロジーは未来を救うのか。

バイオアート―バイオテクノロジーは未来を救うのか。

  • 作者: ウィリアム・マイヤー,久保田晃弘,長谷川愛,岩井木綿子,上原昌子
  • 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
  • 発売日: 2016/05/24
  • メディア: 単行本
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京都で泊まりたいアートホテル、アンテルームへ。HOTEL ANTEROOM KYOTO.

「そうだ、京都行こう」
ってキャンペーンのディレクター佐々木宏さんだそうで。京都へは定期的に行っています、特に理由もなく。しいて言うと住んだことのない街の割に友達ができている街だから。

そして、京都来るときにできるだけ泊まるようにしている宿「HOTELANTE ROOM」
とてもお勧めします。アートホテルです、今回で3回目。とてもお勧めします。

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右に見えるのは市川ヂュンさんの《白い鐘》

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本人在廊されていた。お休みの18時には自ら鳴らされる。

このホテルの1階はギャラリールームになっていて、期間ごとに作品が変わります。今回は「Re:Traffic」と題された企画展が開かれていました。

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春澤龍平さん《旅するブロカント》

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石黒健一さん《Binaryless》

Trafficと聞いてもしやと思ってたけれど、ニコラ・ブリオーそのアンサー展の様子。『関係性の美学』でお馴染み、美術のテストで出ましたね。アートの中でも関心領域であったから、頑張って原文で読んだ一冊のうちの一つ。泊まった前日が関連トークライブだったらしい、くぅ。本展はどんな!「関係性」で「Traffic」へのアンサーなんでしょうか!問いたい。

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当時のカタログ。持っていたのヤノベケンジさん。作品と観る人の相互作用を重視するインタラクティブアートとは少し違って、「リレーショナルアート」は作品へ「参与」することそのものを中心に据えている考え方。日本だとパフォーマンスの平川典俊さんが挙がることが多い。最近では社会との関わりの文脈でこの「参与」が論じられることが多くて、SEA(Social Engagemnet Art)って言葉も出てきている、関心大。

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奥に入ると客室

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朝ごはんが最高

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関係性。こういう居住空間と展示空間の境目がなくなっている状態、本来珍しくはないはずなんですよね。部屋に絵を飾っている人はどれほどいるんだろうか。堅い話でなくて、季節ごとに家具の模様替えするように、絵を変えて気分を変えていく。PCの壁紙って定期的に変えたくなりませんかね、あのテンション。絵を日常に溶け込ませる潜在的ニーズはある筈なのです。

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バーも25時までやっております。ここまで来ると完璧である。ホテル選ぶ時にバーあるかどうかはとても重要とは思いませんか。日本のビールも日替わりで置いてあります。この日飲んだのは、京都醸造さんのビール「塩天下」。すだちと藻塩を使っているそうで、ゴーゼに分類される。夏っぽい。

京都お越しの際はぜひ
HOTEL ANTEROOM KYOTO

hotel-anteroom.com



「人類滅亡小説」山田宗樹 読みまして

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SFにも近未来や宇宙モノのように、異世界の中なお通ずる、人間性描写を楽しむものと、あくまで現実世界に即して、一つの設定だけ外したSFと双方あって。

 
山田宗樹さんの作品はどちらも楽しめます。百年法から知って作家読みをしていて。出版年遡って読み進めていてもまだ全著書の3分の1ぐらいしか読めていないですが、新作が出ていて二度見した。

 

1日で読んでしまった。
内容はサスペンス要素も加えたもの。とても長い期間を書いている。
突如出現する赤い雲が巻き起こす終末物語。社会がどう反応して現象として何が起こっていくかがリアルで。実際に起こったことを暗喩していたり、完全にフィクションとは言い切れない箇所も多いんですよね。

  

死に相対した時に個人がどう向き合うか、小グループがどう作用するかは描写として多い。けれど集団全体に及ぶと一気に実態がぼやける。だからこそ絵としてインパクトある題材が必要で、終末物語系はゾンビウィルスか、隕石か、宇宙人かってなりがち。バイオザードもアルマゲドンも見ていた世代だから、文字でも絵として想像できるけれど、日常溶け込む雲っていいよね。

 

 雲が社会に影響することなんてあまり考えないけれど、金沢にいた時はかなりの確率で曇天で、都内快晴多い!って晴れやかになったっけ。


本の中では「世代」の話も出て来ます。
世代を繋ぐことの意味って考え方は、親と子ではよく描かれるけれど、3世代超えるとなかなか現れないな。時間飛ぶと、伏線回収ちょろっとあって、別個の物語として話される本も多いけれど、この本は骨太一本通っています。

人類滅亡小説

人類滅亡小説