hehishim

Art,Books,Culture in Tokyo,in Japan

fuzkue 会話のない読書会へ『公園へ行かないか? 火曜日に』柴崎友香

f:id:himukazu0616:20180825151305j:plain

日常のペース配分みたいなものはあります
休みは誰かひとりと会って飲み食いして
三連休ならどこか旅して
映画か美術作品を一作は観に行って
1週間に3日は5㎞ぐらい走る
読書は土曜に一冊、日曜にもう一冊
そして平日夜は勉強だけれど、週1日だけは何か新しいこと挟む
そんなペース
なんかないかな、平日夜って探していたのが先週。

 

初台にfuzkueというよく行くお店があります
突き詰められた読者のための空間
突き詰められたというと固いですが、会話だめなのでとても静かに過ごせます

 

店長の阿久津さんが書かれた本があり、最近読んでいまして(まだ半分くらい)その中に、「会話のない読書会」なるイベントがあることが書かれていて。

 

このお店隔月では来ているものの知らなかった。
検索したら直近でも開かれる予定のようだったので平日の彩りにと申込み。

 

決まった本を持ち込んで、参加者は同じ場所で同じ時間同じ本を読んで過ごす。
読書イベントは作家さんのトークライブぐらいしか今まで行かなかったし、一緒にただただ読むって面白いし新しかった。

 

『公園へ行かないか? 火曜日に』柴崎友香さんの新刊が題材でした。

公園へ行かないか? 火曜日に

公園へ行かないか? 火曜日に

 

この本は短編集。各国から集まった作家さんがアイオワで開かれるライディングワークショップでの話。

 

開始の20時近づくともう読み始めてよいのか、そわそわ。
いつもよりどんな人が他来てんだろうと周り気になってた。

 20時きっかりに読み始め。少しの緊張感。

裏返しのテスト用紙、開始時間にしゅばってひっくり返して始まる感じ。新海誠さん作のこのCMよぎった。


Z会 「クロスロード」 30秒Ver.

 

電車で本を読むときは書店で付けてくれるカパーに書き込んで、店で読む時は手帳広げて読む派 。
フレーズ書き留めたり、派生して思いついたこと書いたりしたい。
手帳はedit の1日一ページ版。この日は仕事のメモで一杯だったから先週のページ開きながら。

 

20時から22時30分が読書会の開催時間。

2時間半で276ページ読むのは、正に自分が読むペースどんぴしゃ。ご飯食べるかは葛藤しました。お腹減ってたので一瞬だけ。
野菜中心の定食をオーダー。いつもこれ、普段1000円也。
いつもと違うのは、食べてる時の不思議な罪悪感 笑
皆がマラソン走ってるのに1人休んでるみたいな。

 

作品は良かったですねー

自分も長期留学してた身なので照らし合わせながら読んでいた。始めの章がタイトル「公園へ行かないか?火曜日に」だったのだけれど、これが良い。

 

パークへ行かない?とウラディミルがきいた。


と始まるこの章は、パークってなんやねん、公園って訳せばいいじゃんか。ってひとり突っ込んで読み始めたけれど、読み進めていくとパークってどこのことなんだって疑う叙述があって。

あー文化背景異なる人が一同に集まってどこに向かうか分からないけれど進んでく感じ、
まさにこの店でのこの瞬間だな。今日、火曜日だし。ってシンクロ感じました。

 

目の前に確かにあるものと、人の意思や関係ややり取りで成り立っていることと、今自分と話している人が思っていること知っていることと、私が理解していることが、常に少しずつずれていて、それがときどき重なったり繋がったりして、 いくつもの層の間を漂っているみたいに、暮らしていた。
[ホラー映画教室]

 

 人の気持ちがわかることは、誰かと同じになることは絶対に、絶望的に絶対にないのだから、できることはただ共感することだけだというようなことだった
[it would begreat!]

 

価値観が違ったり自分の考え方と違うことをそのまま受けいれる胆力が、歳重ねることで狭まっていくことはある。
自分の考え方に取り組んでいくことは確かに体力いるけれど、そういう考え方もある、って思えるような器は装着しておきたいものです。

 

22時30分終了。
ちょうど読み終わった。

 

24時まで開店していたけれど、皆23時ぐらいにはばらばらと帰っていた。現地集合現地解散、交流だけど直接交わらず、同じ場所で時間流した、絶妙な距離感が良い。

 

皆各々の日常に戻ってくんだなー
って定型的に書いてすぐ、いや全部混みで日常か、と自己完結。非日常の体験を!みたいに昔は思っていたけど本来全てシームレス。金曜の2359分と土曜の0000で本来変わるものないですね。

 

 大陸を行き来する距離を、なんども移動している人たちが、その距離が「life」の一部である人たちが、こんなにもいるのだと、理解し始めたのはやっとこの数年のことだ。
[ニューヨーク、二〇一六年十一月]

 

こんな一節もあった、そんなこと思いながら書きながら帰路。あぁ雑司が谷駅とか知らない駅着いたと思ったら逆方向乗ってる、、、fuzkue帰り3回に1回ぐらい逆方向乗ってしまうのなんで。

 

イエローのワンピースがとても似合う方が目の前にいてなんか目の保養だったので凹みはやや軽減。
 
写真撮っていないからサムネは電車の中で描いた手書き。更新は来週の話になりそうですので、先週のお話でした。