表参道のGYREで『2018年のフランケンシュタイン - バイオアートにみる芸術と科学と社会のいま』
バイオアートという潮流があります。ジョー・デイヴィスの「Microvenus」で、遺伝子組み換えの作品をアートとして提示してから、昨今日本でも話題。表参道のGYREでただ今開催中のバイオアート展が開催中。
フランケンシュタインとバイオアートに通底する概念は「死者蘇生」。宗教的な意味合いではなく科学の文脈でメアリー・シェリーが書いた死者蘇生は部分的にも現実化している。ゴッホが切り落とした左耳を蘇生したディムット・ストレーブの「Sugababe」もその一つ。
平野真美「蘇生するユニコーン」臓器も含めて精巧に再現されたユニコーン。
マーク・ダイオン「タール漬けの鳥」
第2章 「人新世」では知識の追求がもたらす破滅に関して。
AKI INOMATA「やどかりに『やど』をわたしてみる」
よくみると都市の形をしている。人工物と生物の共生を表現。
BCL「DNA Black List Printer」
製薬企業では生成が禁じられている、パンデミックを引き起こしうるウイスルの塩基配列をひたすらに打ち続ける。
バイオアートの見所はじっと見て思惑していると心ざわざわする所と個人的には思います。少しの不快というか不安というか。ファイクションの世界であった出来事が医療や生命工学の文脈でない形で提示されると、前置き無しに現実ここまできたこと突きつけられている感覚がある。
どこまでが生きていて、どこからが死んでいるのか。
機械と人間の境界を議論するアニメや作品大好きなのですが、遺伝子と生命の議論もBCLさんがされているのもどこかで読んだことがあって。これからもずっと追って見ていきたいテーマです。