【読書】暗幕のゲルニカ
『暗幕のゲルニカ』 をご紹介。
著者は原田マハ さん。
ゲルニカがバスク地方の空爆を受けた土地の名というのも、
案外広まっていないかもしれない。
ナチの攻勢の中、パリ万博にも展示されたゲルニカ。
戦争のもたらす悲劇を筆の力で現し、社会に強い反戦のメッセージを発した作品。
9.11の国務長官の記者会見時に、
ロビーにあるはずのゲルニカのタペストリーは隠される。
反戦のシンボルの前で戦争を語ることの抵抗感。
写真:Papamanila / Wikimedia Commons
史実に基づく物語なだけに、社会との関わりの中で表現者がいかに振る舞ったか、
とてもありありと想像できます。
会田誠 さんのキセイノセイキでの一報などが記憶に新しいです。
注目されがちな作品に相対して、作品によって顕在化するものはある。
それまで得体の知れなかったチカラだったり、
自身の立ち位置に、名前や自覚を生んでいく装置。
興味が尽きません。
この書籍は芸術興味なくとも手軽に読めますのでぜひ。